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光量子科学センター
JAERI-Review 97-004, 62 Pages, 1997/03
本報告書は、大阪支所において平成7年度に行われた研究活動をまとめたものである。主な研究題目は、レーザー有機化学反応の研究と放射線加工技術の基礎研究であり、本報告書では以下の研究活動について詳細に述べる。レーザー光による物質変換、レーザー光による高分子の表面化学反応、放射線による微細加工、放射線による金属微粒子の合成、線量測定および照射施設の運転・管理。
玉井 聡行*; 一ノ瀬 暢之; 河西 俊一; 西井 正信; 貴家 恒男; 橋田 勲*; 水野 一彦*
Chemistry of Materials, 9(12), p.2674 - 2675, 1997/00
被引用回数:18 パーセンタイル:62.4(Chemistry, Physical)石英基板上に作製したポリ(4-トリメチルスタニルメチルスチレン)フィルムにマスクを通してKrFレーザー光を照射し、キシレンで現像すると架橋反応による不溶化高分子のネガ型パターンが得られた。このパターンを電気炉中500C、2時間熱分解を行うと100nm厚の二酸化スズのパターンが得られた。パターンの大きさは熱分解前後ではほとんど変わらないことが原子間力顕微鏡観察により確認された。二酸化スズ薄膜の熱分解による形成は、未照射フィルムでは起こらないことが示され、現像工程を省いた場合でも二酸化スズのパターンが作成された。このことは高分子の熱分解による二酸化スズ薄膜形成において、二酸化スズ前駆体が架橋構造に閉じ込められることが必要であるものと考えられる。
一ノ瀬 暢之; 河西 俊一
Langmuir, 13(22), p.5805 - 5807, 1997/00
被引用回数:5 パーセンタイル:76.07(Chemistry, Multidisciplinary)四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体(FEP)フィルムを窒素置換した亜硫酸ナトリウム水溶液と接触させ、フィルムを通してKrFレーザー光(248nm,18mJcmpulse)を照射した。照射フィルム表面は高い親水性を示し、XPSによる表面分析ではスルホン酸基がナトリウム塩として導入されていることが示された。フィルムを濃硫酸で処理し、ナトリウムを水素にイオン交換すると照射部分がN-ビニルカルバゾールのカチオン重合の触媒として作用することが分かった。これらのことから、本反応によりフッ素系高分子表面を強力な固体酸とすることができるものと結論された。また、フィルム表面上に超強酸サイトをパターニングできることを示した。
一ノ瀬 暢之; 河西 俊一
Macromolecules, 29, p.4155 - 4157, 1996/00
被引用回数:10 パーセンタイル:44.72(Polymer Science)四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系高分子と水との表面光反応における波長、光源依存性、高分子依存性、酸素による反応の阻害効果を調べ、反応機構を考察した。193nmレーザー光で高分子フィルム-水界面を照射した場合、FEPなどのフッ素化率の高い高分子では表面にカルボキシル基が生成するが、四フッ化エチレン-エチレン共重合体(ETFE)のようなフッ素化率の低い高分子では表面反応は進行せず親水化は起こらない。FEP表面におけるカルボキシル基の生成量とレーザー強度の関係を調べると、カルボキシル基の生成量はレーザー光強度の1.4乗(ArF)および3.2乗(KrF)に比例した。これらのことから本反応は液体の水のレーザー光照射による水和電子の生成と高分子への電子移動によって引き起こされることがわかり、酸素による阻害効果もこれを支持した。
岡田 淳*; 一ノ瀬 暢之; 河西 俊一
高分子論文集, 52(1), p.66 - 68, 1995/01
被引用回数:3 パーセンタイル:25.14(Polymer Science)テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を希アンモニア水溶液と接触させエキシマレーザー光を照射することにより、表面に高い親水性が付与できた。この場合、ArF光の方がKrF光よりも有効であった。水との接触角は、未照射の106度からArF光の203Jcmの照射により31度まで低下した。X線光電子分光法(XPS)による表面元素比の測定から、PFA表面では光化学反応によりフッ素の脱離と、酸素及び窒素の導入が起こっており、接触角の低下とよい相関を示すことがわかった。表面反応層の深さはおよそ1.5~7.0nmと見積られ、走査型電子顕微鏡(SEM)観察からは、表面の形態変化を伴わない改質方法であることがわかった。